「糸島を“映え”るアツい街に」若手社員に訊いた、 愛される明太子メーカー「やますえ」の挑戦
written by ダシマス編集部
岩永 竜弥(いわなが りゅうや)
鹿児島県出身のおしゃれ育メン。現在、福岡県糸島市にある辛子明太子メーカー「やますえ」に勤務し、2021年4月より大丸福岡天神店の店長を務める。 マイブームは登山。社内の登山好きを集めて糸島の山を巡ってます。 周りの人たちからの印象:#優しい人#謙虚な人#おしゃれ#育メン
糸島産にこだわった辛子明太子メーカー「やますえ」。現在では明太子だけでなく、糸島産の野菜や魚、クラフト作家の商品まで幅広く展開しています。
▲ “お酒”も“しょうゆ”も産地は糸島!やますえ自慢の明太子。
創業者・山口 末太郎の口ぐせだった「お客さまを、社員をたいせつにし、みなさまに喜んでいただける、 気持ちを注いだものづくり」という言葉を胸に、明太子はもちろんのこと、糸島のおいしいものを日本全国、そして海外へお届けすることで、企業として成長し続けています。4月からは「やますえ」初の直営店が大丸福岡天神店にオープンします。
▲ 本社併設の直売所。自社の商品はもちろん企業や学校とのコラボ商品やお土産も並ぶ。
常に「糸島にいかに貢献できるか?」と考えながら新しい取り組みに挑戦する同社。今回は、そんな新店舗の店長を務める、尽きない好奇心と糸島愛を持つ優しき新米パパ社員・岩永竜弥さんに「やますえ」や「糸島」の魅力についてお話を伺いました。
常にアンテナを張って幅広く展開する「やますえ」
――― 岩永さんは「やますえ」入社前、どんなことをしていたんですか?
岩永 竜弥さん(以下、岩永):実は「やますえ」に入社してまだ2年目で、当社以前に2社経験しています。
工業系高校を卒業後、出身である鹿児島県内のガス会社に就職しましたが、都会でアパレル販売がしたかったので、地元を離れ福岡に引っ越しました。その後はアパレル販売員として働いていましたが、ある時大阪転勤の話が…。僕自身、福岡が好きだったのでとても悩みましたね。そこで、他の世界も見てみようとディスプレイやインテリア関係の勉強を始めていた時、「やますえ」の馬場社長と出会いました。
――― となると、「やますえ」はこれまで興味を抱いていた業種とは全く違いますよね。どんな印象を持っていましたか?
岩永:最初は本当に「明太子屋さんなんだなぁ」という感じでした。ただ、糸島の酒と醤油にこだわっている会社だという事は聞いていたので、ざっくりと「糸島にこだわった明太子屋さん」といった印象でしたね。
▲ 「糸島って知れば知るほど好きになる街なんです。」と岩永さん。
――― では、実際に入社してイメージが変わったところはありますか?
岩永:「モノの良さ」を発信することが得意な会社なんだなと実感しました。明太子以外の食材(糸島の野菜や魚)や全国の旬な物を取り寄せ、イベント販売などを通して、生産者の想いをきちんと理解して伝えることを強く意識しています。
“明太子会社”だと思っていましたが、常にアンテナを張っていて、様々な糸島の物の良さや価値を生産者側の想いも知りながら伝えていくという所に力が注がれているなと働きながら感じます。今では糸島に限らず、全国のいいものを集めて発信していますね。
――― そんな同社の代表・馬場社長と出会って思い出はありますか?
岩永:入社前後、糸島の人気・観光スポットやインスタ映えしそうな場所などにたくさん連れて行ってもらいました。
糸島って牡蠣小屋やドライブにぴったりな場所というイメージがあったのですが、知れば知るほど魅力的で。どんどん糸島に惹かれていきましたね。同時に、今からもっとこの街は良くなっていくんだろうなという可能性を感じました。
この街の可能性を広げていきたいという想いに共感したことが原点なのかもしれません。
店名に込めた想い「 みんなで一緒に糸島を勉強していきたい」
――― この春、新たな直営店が大丸福岡天神店にオープンするそうですが、その経緯を教えてください。
岩永:昨年末に大丸さんからお声掛け頂き、オープンする運びとなりました。お互いの“糸島をもっと広めたい”という思いが一致し、「やますえ」が評価された事をとても嬉しく思います。
――― そんな大丸福岡天神店の店長に選ばれた時、どう思いましたか?
岩永:入社後、しばらくは明太子工場で明太子作りの勉強するため数カ月程度現場に入っていました。その後は、上司に同行し、商談や市場への修行などの経験を積んでいる中での任命だったので、嬉しい反面、かなり不安もありましたね。
アパレルで培った販売の経験はあるので、百貨店での販売というのは何となくイメージ出来ますが、店舗を最初から作るという所は未経験なので…。とにかく頑張ろうと思います!
自分事ですが、数ヵ月前には子供も生まれたので、優しいパパでありつつ、店長としても気合いを入れていきたいですね。
▲ 岩永さんのご家族。
――― 大丸福岡天神店をどんなお店にしていきたいですか?
岩永:今回出店するお店は明太子だけでなく、糸島の野菜をメインにドンと広げる計画です。
糸島にはこだわりを持っている生産者さんや夫婦二人で愛情込めて作っている農家さんがたくさんいるんです。どんな風に作られているのか、そこにはどんな思いがあるのかなど、僕たちが実際に経験して知り、糸島以外の人に伝えていくという役割を担っています。
ロゴマークはこんな感じです!
(お店のロゴを見せていただく)
――― とってもオシャレですね!まるでおしゃれなカフェのようです。
岩永:ありがとうございます!店名は「freaks co.」と言いますが、名付け親も僕です(笑)
あえて野菜を想像させるものではなく、八百屋というよりマルシェのイメージで考えました。
▲ 「freaks co.」では糸島の野菜や特産品、クラフト雑貨なども販売予定。
「freaks」には、物事に熱狂している人々という意味があり、良い意味での変態というか、野球バカなどといったイメージです。
糸島には熱い人やこだわりを持った人が多いので、「freaks」がぴったりだと思いました。
最後の「co.」には、共に・コミュニティという意味があります。
店をつくる人間と、「freaks(糸島の生産者さん)」と一緒に作る店舗といった意味を込めて「freaks co.」と名付けました。
“みんなで一緒に”が大事なところですね。
▲ 店名に込めた想いについて語る岩永さん。岩永さんが一番の「糸島freaks」なのかも。
――― “みんなで一緒に”というのは、お店で働く方にも共通しますよね。チーム面ではどうありたいですか?
岩永:商品の美味しさ・良さを伝えるのはもちろん、生産者さんの思いや、こだわっている部分などをまずは一緒に勉強して、それを伝えられるプロでありたいなと思います。
これは僕だけが勉強するのではなく、パート・アルバイトの人もみんなそうであってほしいですね。
「これってどうやって食べるの?」と聞かれたら、「こうやって食べたら美味しいですよ」「こんな背景があるんですよ」と一言添えられるようなチームを目指したいです。
大丸さんに来店される方もそれを求めて来られると思うので、店名の通り、“みんなで一緒に”お店を作り上げていきたいと思っています。
――― その一言って実はすごく大事ですよね。買う・買わないが決まるというか…
岩永:そうなんです。美味しいと思ったものしか集めていないので、じゃあ何で美味しいのかっていうのは追及していきたいし、僕自身も知りたいと思っています。
▲ 生産者さんの元へ伺い、農作業のお手伝い。「知る」「見る」「聞く」努力を惜しまない。
僕自身も糸島に来て2年なので、まだ知らない事ってたくさんあるんですよね。これまで明太子の勉強はしていましたが、今回メインとなる野菜の知識は全くありません。
なので、伊都菜彩(JA糸島が運営する産直市場)さんに行き、生産者さんと一緒に野菜を並べたり、一緒に畑で作業させてもらったりして勉強しています。
やっぱり全然知らない事ばかりなので実際に体験するのは本当に大事ですね。研修なども一緒に回って、みんなで糸島を勉強していきたいです。
――― いつかお子さんに「ここ、パパが作ったお店だよ!」って言いたいですね(笑)
岩永:そうですね!(笑)未知の領域ですが、プロとしてしっかり頑張る姿を見せられたら嬉しいです。
「やますえ」だから経験出来る刺激的な毎日
――― ここからは会社全体のことについてお聞きします。会社にお邪魔して女性社員が多い印象を受けました。会社はどんな雰囲気ですか?
岩永:落ち着いた雰囲気で、とても和やかです。人に関しても話しにくいなと感じる人はいませんね。優しい人が多く、温かい会社だと思います。
――― 馬場社長って一言でいうとどんな方ですか?
岩永:熱い人です。常にアンテナを張っていて、商品作りに関してもとことん追及していく姿勢は本当に尊敬します。
今でも自ら船に乗って漁に出ていますし、生産者さんと直接コミュニケーションをとっています。
社長であると同時に、一番のフィールドプレーヤーですね。その姿を見ているので、現場の僕らも刺激をもらって働くことができているのかもしれません。
▲ 写真中央が馬場孝志社長。社員との距離も近く、自社SNSにも頻繁に登場されている。
――― そんな刺激いっぱいの「やますえ」に合う人ってどんな人だと思いますか?
岩永:好奇心旺盛で何事も前向きに取り組める人だと思います。逆に、学びたい、知りたい意欲がない人は苦痛に感じるかもしれません。
この前も、宮崎県の魚市場で夜中の競りに参加したり、燻製作りを見に行って食べてみたり…いろんな体験をしています。
実際に現場へ足を運ぶ事は日常茶飯事です。先日もダチョウの肉を燻製したものを食べましたよ(笑)
僕はじっとしているのが好きじゃないので、気になったら見に行って体験させてもらう事が多いです。会社が良い意味で放任主義なので、仕事のために目的があれば、基本的に行かせてくれます。ここが他の企業とは違うなと思います。
日常生活じゃなかなか体験できない事をさせてもらえるので、毎日が刺激的ですね。
▲ 生産者さんとの距離の近さも、地元に根差し愛される「やますえ」ならでは。
――― 比較的自由度が高そうな「やますえ」ですが、会社のここが変わればもっと良くなるかも、と感じる所はありますか?
岩永:今「やますえ」では、明太子だけでなく野菜や魚、器など様々な分野を取り入れています。
どの企業も抱える問題かもしれませんが、それぞれが各々の業務を行っているので、仕事に偏りが出ないように、会社として今何をやっているのか、みんなが把握した上で仕事が出来れば今よりもっといい方向に進んでいけるのではないかな、と思います。
「“映え”る」アツい街への第一歩を仲間と共に
――― 最後に、今後の目標を教えてください!
岩永:まずは大丸福岡天神店を無事にオープンさせたいです。
お店の雰囲気やブランド名なども任せてもらっているので、したいことだけをやるのではなく、ちゃんと実績を残していきたいです。
“映え”る街、糸島の魅力を誰よりも自信を持ってお届けできるお店を目指します。
農家さんとも常に繋がっていて、「大丸に出す野菜の種まきしたよ」「前に一緒にまいた種から芽が出たよ」とご連絡をもらうのですが、それがとっても嬉しくて。
こういった農家さん達、糸島の隠れたヒーローの皆さんにも恩返しが出来るようにしっかりと物の良さを伝えていきたいと考えています。
お客さんはもちろんですが、農家さんからも応援してもらえるお店にしていきたいです。
▲ 「農家さんと一緒に蒔いた種から芽が出てるのを見ると感動します。」
また、農家さんからは消費者がどんな野菜を求めているのか知りたいという声を多々頂きます。
販売中に「こういう野菜ないの?」と聞かれた時は、僕から農家さんに伝え、次に繋がるように情報交換をして、常に高め合いながら一緒に成長していきたいですね。
取材を終えて
終始穏やかな口調で話される岩永さん。取材を受けるのは初めて…とのことで緊張されていたようですが、実際に現場へ足を運ぶといった行動力や生産者・農家の方々と密にコミュニケーションを図る姿勢から、仕事や糸島に対する熱い思いが伝わってきました。
普通の明太子屋さんではなく、日々、明るい糸島の未来を見据えながら活動されるやますえさんの活動からは目が離せません!
直営店はもちろん、5年後、10年後の展開が非常に楽しみです。
そんな株式会社やますえでは、愛と好奇心溢れる仲間が優しいメンバーがあなたを待っています!
ぜひSNSや求人も覗いてみてくださいね!
<やますえをもっと知れるコンテンツ>
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